昭和の話がしたいんだ

昭和大好き団塊ジュニアの主に70~80年代漫画・アニメ・特撮語り

徳弘正也『狂四郎2030』

『狂四郎2030』(97~)は近未来の日本で
少数のエリート層以外は男女隔離政策が取られ、
遺伝子情報によって差別される世界を描いた
ディストピアものです。

※惨殺シーンやレイプ、グロテスクなシーンが
多数あるので苦手な人にはおススメできません。

主人公・廻狂四郎(めぐり きょうしろう)も
「M型遺伝子」の持ち主として
差別される存在でした。

第三次世界大戦の際の戦車の中で暮らし
唯一の慰めが、支給品の「バーチャマシン」

これで仮想世界での「バーチャSEX」が
可能になります。

時代モノ作品好きな狂四郎は江戸時代を選んで
チャンバラに明け暮れたり、その世界の女性キャラ
「志乃」に恋したり。

しかし、折角恋仲になっても狂四郎は不能
ままなのが悩みでした。

 ある日、天才科学者の頭脳を移植されたレトリーバー、
バベンスキーと出会ったことから、狂四郎は
「志乃」が実在の女性・ユリカだと知らされます。

ユリカもまた過酷な生活を送っており、
「志乃」として狂四郎と会話することが心の
よりどころでした。

初めて「ユリカ」として出会った時の

ユリカ「狂四郎……」「立ってる」のシーンは
漫画史に残る名場面だと主張したい!!!!

知らない人には色んな意味で説明しづらいですが

仮想世界のキャラクターでしかなかった相手が
実在していたこと、
二人の心が通い合っていることを認識した上で
今まで立たなかったものが勃った。

文字通り突き上げるような生きる喜びが
表現された素晴らしいシーンなのです!!

その後、狂四郎はユリカに会うために脱走し、
バベンスキーと共に彼女のいる北海道を
目指すことになりますが

それは狂四郎にとってもユリカにとっても
あまりにも辛い試練の連続でした……。

 

徳弘正也といえば『シェイプアップ乱』
ジャングルの王者ターちゃんなどギャグ漫画の
印象を持つ人も多いでしょうが

『狂四郎』もハードな展開ながらギャグの冴えは
変わらないのがスゴい。

語りきれないのでまた次回。