昭和の話がしたいんだ

昭和大好き団塊ジュニアの主に70~80年代漫画・アニメ・特撮語り

緑川ゆき『夏目友人帳』その2

夏目友人帳の魅力はやはり愛すべきキャラと
彼らの織り成す優しいエピソードでしょう。

序盤から夏目が辛い思いをしてきたのは
幾度となく語られているので、

藤原夫妻に引き取られ、友達が増えていくのが
とても嬉しい。

あやかしの気配を感じることができたり
術を使えば見えたりする田沼や多軌は
勿論のこと、

事情を何も知らないのに、しょっちゅう倒れる
夏目のことを心配してくれて、

何度も遊びに誘ってくれる西村&北本コンビは
本当にいい奴らだ……(感涙)

前回「登場すると不穏な空気が」と書きましたが、
祓い屋の名取と的場も決して悪人ではありません。

でも石田さんと諏訪部さんボイスの
胡散臭さが絶妙すぎて、何しでかすか
わからない感じが……。

『夏目』というと優しい世界という印象ですが

(※的場の言動に複雑な気分でいる夏目に対して)

名取「君があの人達のことで気持ちを揺らす
必要はないんだ。
……ああいう人達もいるというだけのことさ」

のように、話しあえば全て分かり合って
ハッピーエンドになるような甘い世界ではありません。

ある種の諦観を含んだ上で、それでも分かろうとして
時に傷ついたり時に報われたりする。

その塩梅が素晴らしい。

個人的に印象に残るエピソードは

ただ一人の信仰者と共に消えることを選んだ「ツユカミさま」
(昔も今も 人とは可愛いものだねぇーーー)

正体が山藤の村崎ちゃんと、夏目の友人・
柴田の切ない恋のエピソード。

柴田は田沼とも会う回がありますね。

多岐の家の蔵掃除をした際、多岐の祖父の傍にいた
あやかしたちが姿を現すお話。

「石洗い」のナナマキ様が、人間に祓われてしまい
力を失った弟子のアズマを探す回、

紅葉の宿の常連客のあやかしが、悪意のある
あやかしを追い出すために出入り禁止の札を
一緒に喰らうところだった「イナナギ様」

切ない別れになるお話も多いですが、
それでも心が触れ合い、想いが通じ合った
お話が好きですね。

ニャンコ先生や犬の会など、まだまだ
語り足りないですが今回はここまで。

夏目友人帳 2019年カレンダー

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