昭和の話がしたいんだ

昭和大好き団塊ジュニアの主に70~80年代漫画・アニメ・特撮語り

一条ゆかり『有閑倶楽部』その1

有閑倶楽部(81~)は日本の資産家の
子息が通う名門校、聖プレジデント学院を舞台に

剣菱悠理、松竹梅魅録・菊正宗清四郎・
白鹿野梨子・黄桜可憐・美童グランマニエ
通称「有閑倶楽部」の6人が

トラブルに冒険にミステリーに
ホラーに恋に友情にと波乱万丈な
日々を送る物語です。

07年には実写ドラマ化しました。

マンガの中で資産家の子供が学校へ
通う際、現実離れした金持ちらしさが
描かれるのはよくありますが、

第一話にして(経緯は省きますが)

ソ連大使夫人秘書(間違いなくKGB工作員)と
イミテーションのネックレスに隠された
マイクロフィルム争奪戦とか
発想がぶっ飛びすぎ……。

他にも香港やイタリアのマフィアと対決したり
麻薬がらみや痴情のもつれの殺人事件の
容疑者にされたり、何でもアリですが

それが可能なのは「有閑倶楽部」のメンバーを
はじめとするキャラクターたちの強烈な
個性あってこそ。

悠理の財閥令嬢なのにガサツで大食いで
男勝りの強さと度胸を持ちながら、
霊感体質でしょっちゅう取り憑かれるなど

ギャップも含めた設定の盛り方や
6人の関係性のバランスなどが絶妙です。

彼らの両親も「確かにこの親にして
この子ありだな……」と納得できる
人物ばかり。

特に悠理パパの万作さんとママの百合子さん。
キャラ濃すぎ……。(お兄さんは影が薄いけど)

マイクロフィルムKGBなどの単語こそ
時代を感じさせますが、

この魅力的なキャラたちの織り成すドラマは
決して色褪せない名作です。

 

アクション映画顔負けのお話があるかと思えば
ホラー回は本当に恐ろしい。

エメラルドの帯留めを奪われたのが心残りの
おばあさんの話とか、

蛇の祟り話とかは小学生だったのもあって
一人でトイレに行けないほどでした。

 

今の基準で見ても少女マンガ離れした話が多く、
それでいて王道の少女マンガだという不思議。

一巻で完結する話なので、どこから読んでも
OKです。

恋愛や友情話については、また次回。

 

有閑倶楽部 あらかると (愛蔵版コミックス)

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