昭和の話がしたいんだ

昭和大好き団塊ジュニアの主に70~80年代漫画・アニメ・特撮語り

羽海野チカ『ハチミツとクローバー』

ハチミツとクローバー(00~)は
美大を舞台に主人公・竹本祐太を
中心とした群像劇作品です。

05年にはアニメ化し、その後実写ドラマや
実写劇場版も作られました。

序盤は竹本くんとヒロイン・はぐちゃんとの
出会いと片思い、

同じ学生寮に暮らす先輩・真山や
ヒロインの一人山田あゆみこと、あゆの
恋模様(全員片思い)などが描かれますが、

学年が上がるにつれ、就活の悩みや
先に就職した真山の仕事場での話も
出てきます。

個人的に思うのですが羽海野チカ作品は

「ものすごく可愛いマグカップ
甘いクリームやお菓子で飾り付けられた
中身は上質で苦いコーヒーフラペチーノ」
だと思っています。

美大に行けるほど手先が器用でも
人間関係不器用な竹本くんが
就職や将来に悩み、

あゆの真山への片思いの苦しみ
(真山にとってあゆは大事な友達なので
世話を焼くし、皆で旅行もする)

普段はとぼけたキャラの
森田さんの家庭の事情。

利き手に重症を負ったはぐちゃんの苦悩。

その辺のシリアス部分だけ抜き出したら
強烈に心を抉る、苦い(そして極上の)
味ですが

はぐちゃんとあゆの謎料理や
森田さんのお花見ワンマンショー、
皆でクリスマスや誕生日や旅行など

コミカルで楽しい、ほのぼのパートで
バランスを取っている感じです。

個人的にケガしたはぐちゃんについていたあゆが
彼女の創作にかける覚悟を目のあたりにして

「私とは世界が違うんだ……って」
野宮さんにこぼした場面。

「そうだね。(略)まんまと彼女は
一人ぼっちってわけだ」

「山田さん 君は残りなさい。
残んなきゃダメだ」

「友達なんだろう?」

の流れはいつ見ても涙腺を直撃します。

その後、それを見ていた美和子さん&
山崎さんが涙目でサムズアップからの

「あたしとあんたは一生友達だから!」と
山崎さんの淡い恋愛フラグを全力で
破壊するオチで泣き笑いする。

更にあゆがはぐちゃんのためにお父さんの
ダウンを改造した肩掛けを作ってきて、

背中についた羽が天使のよう、で
また涙が……。

 

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