昭和の話がしたいんだ

昭和大好き団塊ジュニアの主に70~80年代漫画・アニメ・特撮語り

川原泉『笑う大天使(ミカエル)』

笑う大天使(ミカエル)』(87~)は日本の
お嬢様学校・聖ミカエル学園を舞台に、史緒、柚子、
和音の猫かぶり三人娘の交流と活躍を描いたお話です。

基本的に川原作品の主人公たちは分析力に長けた
ツッコミ気質の冷静な性格のキャラが多く、
傍からはちょっと変わってると思われているタイプです。

その「変わった」キャラたちの周辺を天然ものの
純粋無垢なお嬢様方で固めたカルチャーギャップこそ

後に(06年)実写映画化するほど愛される所以では
ないでしょうか。

簡単にあらすじと設定を説明すると、

まず司城史緒(しじょう ふみお)が転入してきた
ところから話は始まります。

史緒は母子家庭で、母が亡くなった直後
生き別れの兄が登場し、同居をはじめますが
突然のお嬢様生活になじめません。

斉木和音(さいき かずね)は一代で財を成した父と
華族の母を持っていますが、両親は仕事に趣味にと
忙しく、養育係の俊介に育てられたようなものです。

更科柚子(さらしな ゆずこ)の実家は大衆食堂から
一大レストラングループにまで成長したものの、
家族揃ってちゃぶ台でご飯を食べる板についた庶民っぷり。

兄に遠慮して自宅ですら食欲のない史緒は
学校でアジの開きを焼いているところを二人に発見され、

3人とも猫被りの似た者同士とわかり、交流が始まります。

その後3人は源氏物語のレポートで徹底的に
光源氏をこきおろして
国語担当のロレンス先生が頭を抱えたり、

科学実験室の掃除中にフラスコの薬品を混ぜて
遊んでたら爆発し、何故か怪力になったりして

その怪力で「お嬢様連続誘拐事件」を
解決します。

川原作品の例に漏れずほのぼの、淡々としていて
そしてちょっととぼけた作風で、

泣かせる時はガチで泣かせにくるという……。

おハルさんとテディベアのルドルフ君の
お話は特に読んでほしいエピソードです。

川原さんは短編が多く、いずれ劣らぬ名作揃いですが
どれから読めば……?と悩んでる方は

この本から入るのをおススメします。

 

ワタシの川原泉V 笑う大天使 (花とゆめコミックス)

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