昭和の話がしたいんだ

昭和大好き団塊ジュニアの主に70~80年代漫画・アニメ・特撮語り

あさぎり夕作品について(初期~『あこがれ』まで)

あさぎり夕先生の初期作品って
もの悲しげな印象があります。

短編集『青い宇宙のルナ』
『花詩集 こでまりによせて』
収録されてる70年代の作品に特に顕著です。

70年代は一条ゆかり里中満智子といった
有名作家たちも悲劇オチの傾向があるので
流行だったのかもしれませんが

コミカルな『あいつがHERO!』でも
若菜と父親が実は血が繋がっておらず、

若菜が大好きな絵本の作者こそが
実親(既に死去)だった話がありました。

ライラックの君は若き日の養父が
モデルで、甥に当たる一人が
そっくりなのはそのため。

ジョーが主役のスピンオフ
『あしたからのHERO』だとヒロインの
綾乃は暴走族の抗争に巻き込まれて
事故死していますし、

『こっちむいてラブ!』では
ラブをモデルにしていた写真家の
草(そう)さんが途中で病死し、

『あこがれ冒険者(アドベンチャー)』
主人公ミィが惹かれていたキングが死んでしまいます。

多分ご本人が悲劇的な展開を好む
傾向があるのでしょうが、

それでも「なかよし」の小中学生読者に
合わせてだいぶコミカルに、可愛らしい
作品にしてくれていたのだと思います。

個人的には短編2作しかない
『ちょっぴり危険なラブ講座』のような
ドタバタコメディももっと見たかったです

後にBLに行かれたと知った時は
驚きと共に「ああ、やっぱり……」と
納得もしました。

男同士の絆とか関係性が
必要以上に濃く描かれてましたからね。
(あえて具体名は挙げない)

ところで『あこがれ冒険者(アドベンチャー)』の
褐色の肌の美形キャラ・キングが自分の所持品には
インカの太陽神ビラコチャのマークを入れているという
設定があり、

ビラコチャって結構複雑な図柄なのに
キングがちまちま刺繍してるんだろうかと
ちょっと想像して萌えた。

あと『アップルどりぃむ』のマン研の部長さん、
「この人、男専門」と言われていた彼女こそ
あさぎり先生に一番近いキャラだった気がします。

62歳なんて本当に早すぎますよ……。