昭和の話がしたいんだ

昭和大好き団塊ジュニアの主に70~80年代漫画・アニメ・特撮語り

『少女革命ウテナ』その2

物語の重要な鍵である姫宮アンシーについて。

褐色の肌の美少女はララァやナディアなど他作品にも
いますが、メガネっ娘は珍しい。

「私は薔薇の花嫁。決闘で勝った方の思いのままです」
と宣言し、実際に従順なアンシー。

天然で可愛いところもあるのですが、
決闘に負けてしまったら「ごきげんよう」と
背を向け、今までの態度は全てリセットされます。

そうでなくても言いなりなのは表面上だけで、
心は決して許していないのは何となく伝わるので

第一話で西園寺がアンシーを引っぱたいたのは
それが原因でしょう。(これでウテナと決闘することに)

 

その後、さかさまの城から降ってくる少年にそっくりな
アンシーの兄・鳳暁生(おおとり あきお)が登場。

ウテナを助けてくれた王子様と同一人物……?と
ウテナも彼に魅かれていくのですが

本来「助けてくれる存在」の王子様こそが
アンシーを抑圧し、犠牲にしていたことが
明らかになります。

それを救おうとしたウテナがアンシーに
後ろから刺されるという衝撃展開が。

(どうして……!!)と当時驚くより
とうとうやりやがったいう感想だった記憶。

結局、この話はアンシーがウテナによって
兄の支配下から抜け出すまでの話とも言えますが
謎の大半は残ったままです。

ミッキーがいつも手にしているストップウォッチも
何の意味があるのか謎のままでしたね。

ストーリーの謎を追ったり、剣劇アクションを
見るのが好きな人よりも、

華麗な少女漫画的世界観やキャラクター、
意味ありげな演出の解釈をああでもない
こうでもないと楽しめる人向きです。

しかし百合風味含めて、何ともアンモラルな
香りのするこの作品が夕方6時に
放送とか、今では考えられませんね……。

キャラデザ・さいとうちほさんのコミカライズ版は
設定や展開がかなり違うのですが

最近出た完結編で西園寺と冬芽が
ライバル兼よき友となっていてほっこりしました。

虚ろな表情のアンシーの絵が、ウテナ
巡り合った時の顔を見たら涙出てきた……。