生まれ変わりの物語は江戸時代の怪談『累が渕』
(かさねがふち)のように昔からあります。
しかし何故か80年代のマンガに多かった気がするのは
オカルトブームのせいでしょうか。
池野恋『ときめきトゥナイト』(82~)では
主人公江藤蘭世と真壁俊くんは、前世でも恋人同士
でした。
日渡早紀『ぼくの地球を守って』(86~)では
前世の記憶と因縁に皆が振り回される話でもあります。
みずき健『シークエンス』(89)
自分が見ているのは前世なのか未来の姿なのか……?
というちょっと不思議なファンタジーもの。
知る人ぞ知る作品ですが、ドラマCDにもなった
人気作です。
桑原水菜『炎の蜃気楼(ミラージュ)』(90~)は
上杉景虎とその部下「上杉夜叉衆」が何度も生まれ
変わりながら、戦国武将の怨霊を退治する
サイキックアクション……なのは間違いないんですが。
5・5巻の例の台詞が出るまでは
「ちょっとBLっぽいけど普通の小説」でしたよ!!
『美少女戦士セーラームーン』(92~)は
主題歌の「月の光に導かれ 何度も巡り合う」の
歌詞の通りのお話です。
少年マンガだと
車田正美『風魔の小次郎』(82~)の
「聖剣戦争編」では10本の聖剣を手にした戦士は
四千年間生まれ変わりを繰り返していました。
勝ったのに消滅した武蔵を見たら、そりゃ小次郎が
「こんなものがあるから……!」と破壊したくも
なるでしょう。
「生まれ変わってもまた( )」の中に
「同じ相手と恋をする」が入るのが少女マンガで
「戦う」なのが少年マンガっぽいですが
「戦いつつも恋をする」選択肢がセーラームーンや
ミラージュなど90年代作品になると入ってくるのが
ちょっと興味深いですね。
アニメだと『創世のアクエリオン』(05)
『ファンタジックチルドレン』(04~)など
前世が重要なキーワードになり、なおかつ壮大な
ミスリードがある作品が連続したこともありました。
今は異世界転生が流行ですが、そのうちこっちに戻るかも。