昭和の話がしたいんだ

昭和大好き団塊ジュニアの主に70~80年代漫画・アニメ・特撮語り

徳弘正也『シェイプアップ乱』

『シェイプアップ乱』(83~)は
ボディビルで鍛えた怪力巨乳娘、
寿乱子こと乱ちゃんと愉快な仲間たちの
ちょっとHなギャグ漫画です。

女の子が主人公のマンガはジャンプ作品でも
それなりにありますが、

鼻毛抜いて泣きマネしたり、
イケメンマッチョ(でも貧乏)な彼氏がいるなんて
キャラは結構珍しいのではないでしょうか。

カップあればボイン(=胸が大きい)とされていた
時代に、あの大きさはすごい。

尤も、男性読者は乱ちゃんより従兄の同居人・
原宗一郎に感情移入して読んでいたことと思います。

しかし覗きに下着ドロ、直接見たり触ったりと
当時はセクハラなんて概念がないとはいえ、
宗一郎はよく追い出されなかったな……。

(勉強見てくれたりと、いい奴ではある)


この作品の偉大なところは、生々しい生理現象を
もっこり」「はずかしいしみ」の言葉と
描き方でギャグ表現にしたことです。

これによって「これは笑っていいんだ」
と、当時の子供に認識させました。

もしもリアル寄り作風の
『CITY HUNTER』が先に
もっこり」の表現を使っていた場合、
素直に受け入れられていたでしょうか?

とぼけた作風の『シェイプアップ乱』
が先にあったからこそ、
『CITY HUNTER』で定番の
ギャグになれたのではないでしょうか。

当時の私は小学生だったので
下ネタの意味はわかりませんでしたが、

テンポの良さやキレのいいツッコミのおかげで
妹共々、面白い漫画だと認識してました。


下ネタやダジャレ、ブラックジョーク、
ブコメや人情話のような能天気風味から
レイプされた女性のシビアな話まで、

一瞬で陰から陽へ切り替わる感じは
『シェイプアップ乱』だけでなく、

『ターちゃん』『狂四郎2030』
現在連載中のもっこり半兵衛』まで
続く、徳弘正也作品の醍醐味と言えるでしょう。

ところで徳弘作品にはいわゆる「パンティ幻想」を
感じないのは作者が徹底して巨乳好きだからでしょうね。