私が小学生だった頃、80年代前半の
少年マンガではやけに女の子の「パンティ」に
こだわっていました。
もう「パンティ幻想」と名付けてもいいレベルで。
『さすがの猿飛』ではすごい忍術である
「神風の術」がスカートめくりに使われ、
『コータローまかり通る!』はコータローの
趣味がパンティ収集。
『ドラゴンボール』だと最初にドラゴンボールが
揃った時の神竜への願いが、ウーロンの
「ギャルのパンティおくれーーー!!」でした。
『ウイングマン』など桂正和作品のパンツのシワの
こだわりの描き込みといい、
(何故、こんなにパンツにこだわっているんだろう……?)
当時小学生の私にはさっぱり理解できませんでした。
だいぶ後に「日本女性が下着を履くように
なったのは、洋服が日常的になった戦後」と
知ってなんだか納得したものです。
小川ローザのパンツがめくれ上がる
「OH!モーレツ」のCMが60年代、
スカートめくり描写がPTAの槍玉に挙げられた
永井豪『ハレンチ学園』連載開始は68年。
その当時、女性の下着は新鮮なエロスだったのでしょう。
やがてその時代に薫陶を受けた作家たちが
80年代前半にパンティへの思い入れを描き、
更にそれに影響を受けて(以下ループ)
『CITY HUNTER』でもリョウが夜這いや
下着を勝手に漁る描写がギャグとして扱われています。
『金田一少年の事件簿』でははじめちゃんが
女性のビキニを掏り取ったりしてたので
90年代まではマンガ表現としてセーフだったのでしょう。
今はアクシデントで仕方なく、といういわゆる
ラッキースケベの描写ばかりですが、
時代が違えば基準も違うということでしょうね。
どうでもいいけど『キャッツ・アイ』で俊夫さんが
ハンカチだと思ってズボンから出したらパンティだった、
というギャグ描写(他のマンガでも見ましたが)
女の視点から見ると「ないわー」とツッコみたい
少年マンガの描写ランキング5位以内に入りそう。