昭和の話がしたいんだ

昭和大好き団塊ジュニアの主に70~80年代漫画・アニメ・特撮語り

川原由美子『観用少女』(プランツドール)

川原由美子観用少女(92~)は
美少女人形の姿をした植物「プランツドール」と、
その購入者との関わりを描いたオムニバス形式の
ファンタジー作品です。

舞台は現代の香港の裏町っぽいですが
特にどことは明言されていません。

少女(プランツ)は自分で動いて食事し、
少しなら喋ることができます。

普段はお店で眠っていて、
エサはミルク。たまに砂糖菓子を
肥料として与えます。

お値段は「目玉が飛び出る」ほど。

しかしお金持ちなら誰でも買えるわけではなく、
少女(プランツ)が目を開けない
=つまり気に入られないと
店主が売ってくれません。

なので一生モノのローンを組んだり、
中には攫っていく人も……。

更に愛情不足だと枯れたり
ボロボロになったりする
非常に扱いが難しい存在なのです。

人なつっこく、店のガラス越しに
通りすがりの人に微笑む少女もいれば

気難しくて笑顔をなかなか見せない
少女もいました。

購入者のその後も様々で
ハッピーエンドだったり切なく終わったり、

失敗しても何らかの成長を本人に
及ぼしたりします。

基本的に少女たちは次々入れ替わり、
出ずっぱりの人は店主のお兄さん
くらいです。

 

個人的には置いていかれた少女と
それを世話する羽目になった
借金取りの手下の青年のエピソードが好きです。

最初はおっかなびっくりだったけど、
そのうち絆が生まれていく。

ボスに「買い手がついた」と言われ
泣く泣くさよならするが……。

この話に登場する、少女の涙は
本体より高価な宝石になるという
設定で、

宝石目当てに少女を購入しようとする
宝石屋さんがメロメロになる話とか

基本ハッピーエンドが好きですね。

少女の頭に冠(ティアラ)状の植物を
寄生させ、その生命と引き換えに
花冠を咲かせようとするお話もありました。

もともと繊細で美麗な絵の作品ですが
あの回は鳥肌立つほどの美しさでした……!

ふわふわドレスの動くお人形や
優しいファンタジーが好きな人におススメです。

 

観用少女 1 (Nemuki+コミックス)

観用少女 1 (Nemuki+コミックス)