麻薬絡みの話は漫画の中で山ほど
ありますが、どの麻薬を使用するかは
時代によって移り変わります。
覚醒剤は実は昭和25年にはじめて劇薬指定、
翌年に「覚醒剤取締法」ができたので、
それ以前は合法でした。
そのため手に入れやすく、
『はだしのゲン』でもムスビが中毒になり
サザエさんの作者、長谷川町子のマンガでも
子供がヒロポンで「キャッキャッ」
「エヘラエヘラ」とラリってるシーンがあります。
当時、覚醒剤は「疲労がポンと飛ぶ」=ヒロポンと
呼ばれていました。
70年代にはマリファナが登場します。
高階良子『地獄でメスがひかる』(72年)
では天才マッドドクター・巌先生が
マリファナタバコを愛用していました。
大島弓子『いちご物語』(75年)でも
不良の「ホートーグループ」が吸ってたのは
マリファナタバコだったと推測します。
(林太郎が怪訝な顔で匂いについて質問したり、
ラリったような返答だったから)
『悪魔の花嫁』でも、二重人格の少年に
今日はマリファナでも吸ってみないかと
デイモスが誘う場面があります。
70年代の日本にマリファナが蔓延していた
わけではなく、当時アメリカのヒッピー
(死語)たちの間で流行っていたようですね。
だから庶民の不良はシンナー、
もう少し意識高いタイプがマリファナと
マンガでも使い分けていたのでしょう。
リンかけでは竜児の中学の入学式で、
後に竜児に惚れる幸子が、
校門前でシンナーを吸ってました。
『男坂』(84年連載)でもシンナー吸ったのが
バレて闘吉にぶん殴られた手下がいます。
『ホットロード』(86年連載)のヒロインの
相手役、春山がシンナー吸って先輩に殴られてました。
シンナーは簡単に手に入るので、長く使われる
薬物ですね。
長くなりますので、続きは次回。