昭和の話がしたいんだ

昭和大好き団塊ジュニアの主に70~80年代漫画・アニメ・特撮語り

まんが日本昔ばなし「牛鬼淵」

私が最も印象に残っている怖い話です。

常田富士夫さんのご冥福をお祈りしつつ、
今日はこの話をしたいと思います。

ストーリーは至ってシンプル。

化け物が棲むといわれている淵の近くに
二人のきこりがやって来て、
泊りがけで作業をします。

ある夜、山小屋で過ごす二人の元に
妙な男が現れ、何をしてるのか尋ねる。

年寄りのきこりが
「ノコギリの手入れをしている」

「この32本目の歯は鬼刃(おにば)
といって、鬼を退治できるんじゃ」

そう答えると男は去っていく。

何日もそれが続き、ある時仕事中に
鬼刃が欠けてしまう。

年寄のほうはノコギリを修理するため下山、
若い方が山小屋に残り、酒を飲んでいる。

その夜、鬼刃がないことに気づいた男は
化け物の本性を現すのだった。

「もう鬼刃はないんじゃな……」と嬉しそうな
市原悦子ボイスに合わせて、影がみるみる
大きくなる演出が素晴らしい。

血も死体も描かれていないのに、
演出と市原&常田コンビの演技力だけで
充分な怖さがあります。

そもそも会話ができ、自分を倒せる存在を
理解できるくらいには知能があるのに、

毎日やってきて同じことを聞く奴って
なんか気持ち悪いですよね……。

子供向けのお話の基本は繰り返しなのは
わかってますが、それを踏まえても
やっぱ不気味。

この後『クイズダービー』で一息つき、
更にドリフもホラー風味のコントだったりして
余計に怖くなる、昭和の子供の夏の思い出。

常田富士夫さん、本当にありがとうございました。