昭和の話がしたいんだ

昭和大好き団塊ジュニアの主に70~80年代漫画・アニメ・特撮語り

河惣益巳『火輪(かりん)』その4

この物語は中華ファンタジー
(風味)なので、お馴染みの
青竜・朱雀・白虎・玄武の
四神将が登場します。

玄武は本当に亀の
お爺ちゃんでしたが、

後に力の証をリーアンに譲って
老衰で亡くなります。

青竜はリーアンの養父にして
剣の師匠・敖広(アオコァン)

竜族の王です。

ラストに彼も豎眼(額の第三の目)
持ちなのが判明。

開を選んで白鈴に
「私だって幸せになりたいの
ですよ」と言ったシーンは正直
スッキリしました。

長年報われない片思いを拒絶
されまくってたんだから、
愛してくれる人選ぶよね……。

 朱雀はリーアンの仙人修行の
師匠・楊戩(ヤンジン)。

仙人なのに酒好きで女好き。

本来の朱雀は天帝・開によって
一族ごと滅ぼされた際、
残った力を友の楊戩に託しました。

優れた仙人で人界にいた時は元皇族、
次代の西王母を嫁にして

朱雀の力に加えて豎眼持ちと

主人公並みに設定が
盛り盛り……。

白虎・胡勲(ホーシュン)は
人型にもなれますが、
本性は白虎。

性格は面倒見のいい兄貴分。

ふっさふさ眉毛とケツアゴ
イケメンには分類されない
タイプですが、個人的に
好きなキャラです。

西方の守護者のため
西王母の意志を伝える
メッセンジャーの役割も。

子虎の時からリーアンの実母・
昱花(ユイホワ)に育てられて
彼女を深く慕ってるので

リーアンが女にもなれると
聞いて以来、嫁になれと
アプローチします。

何が便利って、虎の姿だと
襲いかかってもそんなに
いやらしくない……。

また、敖広や楊戩はイケメン枠
なので、情けないところは
あまり読者には見せられませんが

虎の姿なら失言しても
嫌味を言っても問題ない。

リーアンに惚れている火竜の十妹
(シーメイ)におしおきや
八つ当たりで暴力を受けるのも、
虎だとギャグで済みます。

虎の姿のまま空を飛べるので
乗り物としても便利だし、
リーアンが外で寝る時は
布団代わりにもなってくれました。

それでいて、四神将らしい
知識と振る舞い、威厳もあって
風の能力を使えるのもいい。

続きはまたそのうちに。

というか何故彼だけケツアゴ……。

火輪 5 (白泉社文庫)

火輪 5 (白泉社文庫)

 

『仮面ライダービルド』エボルトその1

本日11月26日は石動惣一・
エボルト役、前川泰之さんの
お誕生日です、めでたい!!

というわけでエボルトの話を。

ご本人は素敵なイケオジなのに
雑誌の表紙やTVで見るたび

(エボルトめ、何を企んでる……!?)
と思ってしまうほど、ファンの心に
爪痕を残したキャラ。

大雑把に説明すると、序盤では
茶店「nascita」(ナシタ)の
マスター。

コーヒーはマズいが気のいい
おっちゃん。

記憶喪失の主人公を
拾ってくれて

「桐生戦兎」という名前を
つけてくれて、衣食住提供
(家賃は取る)してくれる

ライダーにおけるいわゆる
おやっさん」の役どころ。

それは間違いないのですが……。

おやっさん枠がラスボスって
どういうことだよ!!!

そりゃ第一話ラストから
タブレットをぐにゃっと曲げたり
なんか只者じゃない伏線は
ありましたよ!

敵側「秘密結社ファウスト」の
幹部、ブラッドスタークなのも
わりと早めに明かされましたよ!

でも心のどこかで(主人公たちを
欺いてでも鍛えなければならない
理由があるんだろう)って
思ってましたよ!?

名セリフも多く、敵となった後も
戦兎が打ちひしがれてると
必ず現れて力になってくれます。

その象徴がこの台詞。

(お前の代わりに誰が戦うと思う?)
「万丈だ」

ハザードトリガーの暴走で青羽を
殺してしまい、苦悩する戦兎。

勝ち目のない戦いに友を行かせる
つもりかと叱咤されて
再び立ち上がる……。

この流れは熱いのですが

そもそも原因お前だろ!?

お前が(カシラのために強くなりたい)
青羽を「ダメージ喰らうと消滅する」
なんて条件で強化したからじゃないか!!

そんなツッコミを視聴者は
何度したことか……。

ラスボスがエゴイストで
残酷なのは当然とはいえ、

エボルトの場合、前川さんの
お茶目で飄々としたイケオジの
印象が加わって

陽気で愛嬌のある邪悪という
世にも不思議なキャラクターに……。

ラスボスなのにしょっちゅう
電話かけてきたり
気軽に現れるのも
エボルトならでは。

続きはまたそのうちに。

「万丈だ」は変にネタに
なってしまった……。

『機動戦士ガンダムZZ』その8(29話)

27話(ハマーンジュドーの再会、
リィナが狙撃される)

28話(プルとリィナの修羅場、
和解したものの小屋にMSが落下炎上、
リィナ死亡)※実は生きてる。

と、重大なエピソードが続いた後
29話「ルーの逃亡」は次イベント
への布石回。

内容は割とタイトルのまま。

アーガマに収容されたガンダムチーム
ですが、リィナの死のショックで
ジュドーコクピットに閉じこもって
出てきません。

仲間たちが心配する中、ルーだけは
ジュドーに発破かけようとしますが
周囲の反感を買うことに。

ビーチャ「そっとしておいてやれよ。
誰にでも一人になりたい時はある」

ビーチャが珍しく気遣いを……!
※この後ひどいことをする。

プルが悲しげにコクピット
外から叩くのが切ない。

ガンダムチームに不和フラグが
立った頃、ネオジオン側では
ハマーンとグレミー
意味ありげな会話。

ハマーンがグレミーにカラバの
本拠地を叩くよう指示した際

ハマーン「我々を結びつける
ザビ家の血の繋がりを忘れるな」

気になる台詞です。
※詳細が明かされるとは言ってない。

ハマーンはこの回以降しばらく出番なし。

その後グレミーのMSと戦闘になり、
ビーチャとモンドは示し合せて
ルーのコアファイターを盾に攻撃。

レミーは反撃できず、折角のMS
「飛龍(バウ)」を
落されてしまいます。

うまくいったからよかったものの、
ルーが怒らないはずもなく
そのままコアファイターで離脱。

MSより勝利よりルーの安全を
優先したのに、感謝されるどころか
「とんだ二枚目ね」と
言い捨てられるの可哀想……。

レミー「青春を捨てたと言いながら……
私はっ……!!」

飛龍を失い、砂漠に一人
取り残されたグレミー
明日はどっちだ!?

次回からグレミー・トト
大冒険がはじまります。

メタ的にはグレミー主役回の
30・31話のためにルーが
必要なので、

彼女が1人でアーガマを離れる
エピソードが必要だったのでしょう。

30話はコミカルなノリなので
連続で見ると、27・28話との
温度差で風邪引きそう……。

(小ネタ)漫画における関係性の変化 親分→兄貴→ダチ

『鬼滅』7巻、下弦の壱トーマス
見せる夢の中で、炭治郎たちが
煉獄さんを「兄貴ィ!!」と
呼んでたり、

同じく伊之助の夢では「親分」
だったのがなんか懐かしい
響き……と思ったので
それをテーマに語ってみます。

昭和の漫画の主人公は
「親分」と呼ばれるキャラが
多数いたものです。

代表格は

本宮ひろ志男一匹ガキ大将(68~)
戸川万吉(通称:万吉親分)

時代劇やヤクザものの影響かと
思われますが、この時代だと
ケンカの強いキャラや
主人公は「親分」。

それを慕う「子分」キャラは
同じ歳でも部下のような
扱い。

「~でヤス」「~でガス」などの
語尾で喋ったり、メガネや出っ歯・
小柄だったりといかにも格下な
外見を与えられていました。

「親分」「兄貴」に情報を与えたり、
見に周りの世話をしたりと
尽くし型のキャラも多いですね。

ギャグキャラだと「おやびん」
呼びになったりします。

しかし時代の流れか、次第に
上下関係は学校の先輩・後輩
くらいで、

「ダチ」「仲間」という
対等な関係になっていきます。

聖闘士星矢』『北斗の拳
キン肉マンなど
80年代を代表するメジャー作品の
友情に上下関係はありません。

平成に入ってからのONE PIECE
でも、ルフィが船長とはいっても
関係性は対等です。

※ただし族モノは上下・主従関係が
残っていて、

荒くれKNIGHT(95~)で
副長の牧さんが
「俺は善波五七十に仕えている」と
言ってたり、

特攻天女(95~)でも
高村が兵隊たちを従わせる
カリスマという描かれ方でした。

天元突破グレンラガン(06~)
ではカミナがシモンに「アニキと呼べ」と
言ってましたが彼も結構、古風な
キャラだから……。

ある人物に心酔した場合、
「親分(兄貴)と呼ばせてくれ!」と

自ら格下になる宣言するのはもう
時代劇とかギャグとかの様式美で
しかないのかもしれませんね。

今だと『呪術廻戦』の東堂のように
「兄弟」(ブラザー)呼びもありますが

何にしても呼び名一つで
関係性の違いが出るのも
面白いものです。

鬼滅の刃 8 (ジャンプコミックスDIGITAL)

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『ゴールデンカムイ』その10(公式ファンブック感想)

公式ファンブック「探究者
たちの記録」発売中です!!

ネタバレしない程度に感想を。

・カラーイラストは表紙だけでなく
特典のポスターや色紙、
御礼イラストなども収録
されてます。ありがたやありがたや。

(主題歌を歌った)MAN WITH A
MISSIONとのコラボ表紙も
ありますよ。

・描き下ろしの漫画は3本。

鶴見、土方、杉元サイド
それぞれのギャグ話。

詳細は言いませんが、

宇佐見さんはそこで
何してたの……?

キロちゃんが楽しそうでほっこり。

杉元は尾形を何だと思ってるのか……。

(読んだ人はだいたいこんな
感想を抱くはず)

・ストーリーやキャラクター、
アイヌ文化やロシア語などの解説。

杉元や鶴見中尉のモデルになった
方の話も紹介されてます。

武器や元になった逸話、登場した建物など
作者がどれだけ誠実に作品作りに
取り組んでるか感服すると同時に

(やっぱりこの作品の生みの
親だなぁ……)と感じるコメントが
あちこちに……。

・登場キャラのプロフィールが判明。

作者が星座占いの基本性格に
合わせて誕生日を作るタイプには
思えませんが、

(時に乙女な一面を垣間見せる)
杉元が魚座なのはなんか納得……。

身長体重が数値でなくて、誰より
髙い、誰と同じくらい、誰より低いと
比較で表されるのは珍しいですね。

でも谷垣の胸囲はちゃんと数値化する。

・あまり出番のないキャラも
名前や情報が出ています。

梅ちゃん&寅次の苗字や
初期に登場した囚人の名前も
判明!

・鶴見中尉も知らなかった
謎のおじさんの正体が……!

作者のデビュー作に既に登場して
たんですね。

今回収録されてますが
大真面目にシュールなのは
今と通じるものがあります。

ちょっと吉田戦車っぽい……?

読者から募集したQ&Aの回答は
一行で笑わせてくれるかと思えば
(え……それって……)と
ゾッとさせたりと

ショートストーリーが幾つも
作れるようなネタが山程。

アシリパさん、いつぞやの
(牛山さんの額だと思った)
ハンペンまだ持ってるんだ……。

ファンなら買って大満足の逸品です!

荒川弘『鋼の錬金術師』その2

前回も書きましたが、リアルタイムで
コミケの女性向けスペースを大混雑
させた最大の原因はマスタング大佐
でした(断言)

炎属性で強くて頼もしい、
お茶目な一面もある
主人公の兄貴分って人気出るに
決まってるだろ!!

(煉獄さんを見ながら)

作中きってのイケメンでもあり
有能で野心家で女好き。

特殊な手袋で指パッチン→
術発動という真似しやすさも
人気の理由でしょう。

しかも手袋に錬成陣とか
厨二心をくすぐられます。

何度も言ってますが、女性受けする
作品において欠かせないのは

キャラ同士の関係性。

大佐の登場で、天才であるエドより
「格上」で頼りになると同時に
困らされる存在ができたわけです。

大佐も完璧なキャラのように見えて

「雨の日は無能なんですから」

という最大の弱点が早々に発覚、
あれは心を撃ち抜かれました。

ツッコミ役兼サポート役の
ホークアイ中尉との意味深な
関係性も素敵。

なんだかんだ部下たちに
慕われてるのもいいですし、

何よりヒューズ中佐との
友情がたまりません。

理解者であり親友。ツッコミも
ギャグもこなせる強い味方。

大佐「おまえなぁ!
援護とかしろよ」

中佐「おまえらデタラメ人間の
万国ビックリショーに
巻き込むんじゃねぇ!!」

錬金術師じゃないので単独の
戦闘力には欠けるものの
軍人としては有能。

しかしそのために真実に
いち早く辿り着いてしまい……。

彼が殺されるシーンはあっさり
してるのに、その後の

・奥さんに貰ったアップルパイで
列車内のエドたちがヒューズ一家の
温かな雰囲気を思い出す。

エドがお見舞いに来てくれた
お礼をしなきゃと言う。

ヒューズさんの面倒見のいい、
愛情深く優しい性格を読者に
思い出させてからの葬儀シーン。

愛娘のエリシアちゃんの

「どうしてパパうめちゃうの?」

これだけ見事に重ねられると
涙が止まりません……。

大佐が一人墓に向かって
語りかけ、迎えに来た
ホークアイ中尉に

「ーーいかん 雨が降ってきたな」

決して泣いていることを認めないシーンも沁みます。

続きはまたそのうちに。

荒川弘『鋼の錬金術師』その1

鋼の錬金術師(01~)
鋼鉄の義手と義足から「鋼の
錬金術師」の呼び名を持つ主人公の
少年エドワード・エルリックが、

肉体を失って魂のみが鎧に
定着している弟アルフォンスを
元に戻すことのできる「賢者の石」を
求めて兄弟で旅をするうちに
国家規模の陰謀に巻き込まれていく
ダーク・ファンタジーなアクション漫画。

略称は「ハガレン

架空のヨーロッパ風の国
(ドイツっぽい)が舞台ですが
中東や中国っぽい国の人も
登場します。

03年、09年にアニメ化、
劇場アニメや実写映画、
ゲームも作られた人気作。

本来、戦闘するイメージのない
錬金術師が「術で戦う」という
意外性と、

方陣を書いてぱんっと手を叩けば
武器を錬成、などマネしやすい
キャッチ―さも受けた一因かと。

原作知らないでアニメ見たので、
ごつい鎧のアルから釘宮さんの
可愛い声が出た時は驚きました。

※4巻オマケの4コマでアルが
個性アピールで語尾に「アル」を
つけてたのは伏線(『銀魂』の神楽
ちゃんも釘宮ボイス)だった……?

錬成陣などの神秘的マークや
「○○の錬金術師」という
二つ名も、厨二中高生の心を
くすぐります。

アニメは秋からの放映だったため
皆が一斉にハマる→

直後の冬コミの女性向けスペースの
大混雑は忘れられない(遠い目)

序盤はエルリック兄弟が賢者の
石を求めて旅をしますが、
なかなか見つからず。

その過程で作中の世界観や
2人のキャラクターと目的、
現在の姿になった原因、

国家錬金術師がどんな存在か
などが描かれます。

そして物語の陰で暗躍する
謎の人型の化け物たち……。
(後にホムンクルスと判明)

エド「何かを得ようとするなら
それなりの代価を
払ってもらわないとね」

エドは人助けする際にも金銭的に
ものすごくしっかりしてたり、

独特の死生観を持ち、
精神的にもタフなところが
すごく荒川作品らしい……。

(尤も、この場合の対価は
一泊二日2人分の宿代でしたが)

エルリック兄弟の紹介がひと段落
すると、本編が進み始めます。

 マスタング大佐、大人気でしたね。

続きます。