昭和の話がしたいんだ

昭和大好き団塊ジュニアの主に70~80年代漫画・アニメ・特撮語り

『聖闘士星矢』ペガサス星矢

12月1日は星矢の誕生日です。
めでたい!!!

そんなわけで星矢の話を。

星矢といえば「影が薄い」だの「弱い」
だの散々な言われよう。

一回目の人気投票から5位だったし……。

コミックスでは消されましたが
「オレ主役」の呟きが悲しい。

個人的にあの不満そうな顔、可愛いと思います!

星矢がすごいのは「女の人は殴れない」と
いうポリシーを保ってるところ。

可愛い幼なじみがいる紫龍や
優しく美しい母親がいた氷河なら
そういう主張をして当たり前でしょう。

星矢の場合、魔鈴さん&シャイナさんという
男より強い女性から何度となくボコられようとも
それが揺るがないんですよ!?

(アニメ版オリジナルの女性キャラはノーカンで)

アニメ版といえば星矢がギターを
弾いているシーンがありました。

紫龍「あいつのギター、やけにむせび泣いているぜ」
が忘れられない……。

 

古き良き時代の熱血主人公的性格なので、
根性だけで戦ってると思われがちですが

実は戦闘においては頭脳派です。

紫龍戦だけでも「矛盾」の故事にちなんで
最強の矛と盾をぶつけてみたり、
「龍の右拳が一瞬下がる」隙を狙っています。

 

魔鈴さんの教えがいいのでしょうね。

これも魔鈴さんの影響なのか、星矢もなかなかの
ツッコミ気質の持ち主。

素っ裸で自分の美しさに酔ってるミスティに
「バッカじゃねぇのかおまえ」
ストレートにツッ込んでました。

この師弟は口が悪いとこがよく似てます。

基本、敵の強さを読者に見せる初戦や
ラスボスを倒す最終決戦に出番が多いため
いつもボロボロになってる印象がありますね。

獅子宮戦では洗脳されたアイオリア
ボロ雑巾のごとく殴られまくった挙句、
カシオスの献身の方が目立つ有様……。

あと魔鈴や一輝など「頼れる味方が助けに来る」
展開のために負けっぱなしになる場合も多いです。

(VSアステリオン、VSジャミアンなど)

主人公って損な役割ですよね(しみじみ)

そりゃおバカでめげないタイプでないと
務まりませんわ……。

頑張れ!!私は大好きだ星矢!

聖闘士星矢 1 (ジャンプコミックスDIGITAL)
 

 

『仮面ライダーエグゼイド』パラドその2

新・檀黎斗に粘着されつつも永夢との
決着に燃えるパラドですが

32話でクロノスが登場。
ラヴリカが絶版されて以降、
パラドの心に死の恐怖が生まれます。

33話ではラヴリカのお悔やみに
籠入りのフルーツ盛り持って来る正宗パパ……。

わざわざバグスターの本拠地に乗り込む
=逃げられないと暗に告げている。

赤いバラ(恋社長が常に胸に飾っていた)を
持ってきて踏みにじる
=逆らったら同じようになるという
追悼に見せかけた脅しが怖い。

この回は飛彩先生が正宗パパにつく
エピソードもありました。

檀親子の対決を永夢・ポッピー・飛彩の
三人が物陰から見ているのを

「あいつら何やってんだ?」と更にそれを
見物するグラ&パラドという絵面が面白い。

36話では永夢が最強フォームの
ムテキになるため、クロノスに対抗する策だと
騙されて、パラドが永夢に取り込まれます。

怒るどころか「やるな永夢」で済ませるのが
パラドらしい。

ムテキを封じるため、正宗パパは
飛彩先生にパラドを絶版にするよう命令、
失敗したら自らやって来ます。

ムテキを護るため、かつて自分を殺した
パラドを庇う羽目になる新・檀黎斗……。

クロノスの殺意を間近に感じるようになると
パラドも余裕がなくなっていきます。

グラファイトの「遅いから心配したぞ」など
ママ気質が増加するのもこの頃。

39話・40話ではパラドの死の恐怖を
映像で表現する際に、水中での演出が
使われました。

深いプールに飛び込んだことがある人なら
わかると思いますが、

水から顔を出そうにも、思ったより水面が遠くて、
息が続かないと気付いた時の焦りと恐怖たるや……。

見てるこっちも息苦しいほどでしたので
パラド役の甲斐さんの苦労、お察しします。

そして命を奪われる恐怖を心身に刻んだパラドは
心から改心し、永夢の頼れる相棒となります。

40話でクロノスが没収していた
エナジーアイテムを奪い返したり

エグゼイドの決め台詞の際の手のポーズに
パラドが手を合わせるシーンは激熱です!!

 つづきはまた後日。

 

 

寺沢大介『ミスター味っ子』その2

陽一の料理勝負の相手は、同じ学校の生徒の親
料理研究家)から近所の店、

日之出食堂や知り合いの店を潰そうとする
ライバル店、普通の料理コンテスト、
一回限りのゲストも多いですが

※(偏食に悩む同級生や体調不良の近所の子供、
つわりのひどい妊婦さんを助けるなど
勝負とは関係ないエピソードも多数あります)

一番盛り上がるのはやはり同年代の
ライバル対決。

特にカレーの天才、関西弁で三白眼、
キバがキュートな堺一馬は人気キャラでした。

「皇帝の料理番」中華の天才・劉虎峰(りゅう こほう)や
「素材の魔術師」中江兵太(ひょうた)も揃って
味っ子2』にも登場しています。

最初からフレンドリーだった中江くんや
生意気キャラでも陽一からよくからかわれていた
一馬くんとは違い

日本人嫌いで傲慢なキャラとして登場した虎峰が
丸くなってるのすごく可愛い……。

陽一の頼みだからと海燕の巣を
自分で採りに行ったり

陽一にそそのかされて中江くんと二人で
一馬に

中江「あんまり口開けて笑うと すごみなくなるよ」
虎峰「自慢の八重歯は ちゃんとしまっとくと
いい男だね」

(一馬に追いかけられる陽一)

微笑ましい……!!

ライバルといえば味皇料理会では若手の
下仲さんや小西さんも時に戦い、
時にサポートに回ってくれました。

陽一が味皇グランプリの間も店を休みたくないと
言ったからと、小西さんが手伝ってるのを見た
下仲さんとのやり取り

小西「どうだ かつての主任候補の
こんな姿を見て軽蔑したか?」

下仲「いいえ なおさら尊敬しましたよ」

特に親密というわけでもないけどお互い
敬意を払ってる距離感が好きです。

ところでこの作品を今読むとアルデンテが
特殊な専門用語扱いなことに時代を感じます。

逆に言えば、多数の料理マンガやTV、
ネットなどで誰もが情報通になってしまいました。

読者を驚かすことが難しくなったために
雰囲気やシチュエーションを楽しむタイプの
食べ物マンガが増えたのかもしれませんね。

まだまだ語り足りないので続きはまた後日。

 

寺沢大介『ミスター味っ子』その1

ミスター味っ子(86~)は中学生にして
実家の大衆食堂を切り盛りする少年、
味吉陽一こと通称ミスター味っ子
主人公の料理バトル漫画です。

87年にアニメ化しました。

美味しんぼと並んで昭和を代表する
料理勝負&グルメ漫画です。

よく誤解されますが

カツ丼が光ったり、
弁当の具が合体したり
巨大化した味皇大阪城壊すのは
アニメ独自の演出です。

今川監督は濃いおっさんキャラとか
極端な演出が大好きだから……!

あのリアクション芸は焼きたて!!ジャぱん
食戟のソーマにも影響を与えてると思います。

原作はそこまでオーバーな表現はしませんが
トンデモな発想の料理や、濃いキャラ揃い
なのは同じです。

アニメ化後は原作の方も影響受けてますね。

あと「ヒロインは山岡みつ子だよね?」
って人!それはアニメのオリキャラです!

(この作品のヒロインって陽一ママなのかな)

日之出食堂」は亡きお父さんの
残した店で、お父さんもまた知る人ぞ知る
有名な料理人でした。

陽一は元気いっぱいの負けず嫌いの少年で
何かと料理勝負したがります。

そうでなくても相手の方で挑発してきたりと
今読むと80年代らしいエネルギッシュさが
作品にも溢れています。

・すごい能力を持つ相手を努力と根性と工夫で
上回る。

・かつて勝負して友達になったライバルが
協力してくれる。

こう書くとバトル漫画も料理漫画も
同じですよね。

出るのが料理か必殺技かってだけです。

また、この作品において便利なのが
味皇」村田源二郎と味皇料理会の存在。

中学生の陽一でも、味皇が認めたのならと
ベテラン料理人も一目置きますし、

味皇料理会が絡むと勝負のスケールも大きくなります。

味皇料理会の主任でもダメだったからと
外国の一流シェフとの対決や

偏食の王子様が気に入る料理を作ってくれなんて
依頼までありました。

何より「味皇グランプリ」は
他のコンテストや料理勝負より
派手に盛り上がったものです。

ライバルたちが魅力的なのもありますが
詳細は次回に続きます。

ミスター味っ子 いただきますBOX [Blu-ray]

ミスター味っ子 いただきますBOX [Blu-ray]

 

荒川弘『銀の匙~Silver Spoon』その4

本日、サンデー52号にて
銀の匙』完結!!

記念に語ります。

あと4回と通知してあった通り
キレイに畳むためのエピローグでした。

リアルタイムで読んでた人には
八軒くん以下、色んなキャラの成長や
変化、もしくは初志貫徹っぷりに
ほっこりする最終章です。

大学は合格と入学式当日くらいしか
出ませんでしたが

(そして予想通り変なウワサが先立っていた)

土地目当ての結婚と言われて

「純愛です!」

と叫ぶアキに萌えた……。

キャンパスライフはいつか番外編とか
読んでみたいです。

サークル勧誘で名刺くれた女王様とか
キャラの立った人々が出てきたし、

学生でなくてもあやめちゃんが堂々と
キャンパスに入れる理由まで作っておいて
これっきりとかありえないですよね!?(懇願)

前の号を読み返してたら八軒くんの豚着ぐるみ写真の
隣の記事でガサ入れされてる会社、

「チーズ工房ほわいと」って
吉野さんが面接受けたブラック企業だ……。

もし彼女がヤバいと思いつつも就職してたら
ガサ入れまでの間に使い潰された危険性も
あったので、

内定蹴ってフランス行きを選んだ彼女は
ベストな選択をしたことになりますね。

チーズ好きでアニオタの彼氏もできたし!

別府くんが八軒兄夫婦と組んで
仕事するとは思いませんでしたが
何気にアレクサンドラさん大活躍ですね。

駒場くんが八軒兄夫妻と話してたのは
こういうことだったのか……。

駒場くんにはぜひウラジオストック
ボス農業王になっていただきたい!!

駆け足なので出てこないキャラもいましたが
それはコミックスなどでフォローされる
ことでしょう。

常盤くんの婚活話とか。
西川くんや相川くんのその後とか。

個人的にはタマコちゃんと稲田先輩が気になります。

最後に桜木先生が「こんな生徒がいてな……」と
語り草になってるのにしみじみしました。

羅列してみると相当アレな人だな八軒くん!
本人は至って真面目なのに……。

荒川先生、ありがとうございました!!

15巻を楽しみにしております!
いつかキャンパス編も……。

『勇者特急マイトガイン』その1

勇者特急マイトガイン(93~)
勇者シリーズ4作目。近未来の日本、
ヌーベルトキオシティを舞台に
主人公、旋風寺舞人(せんぷうじ まいと)が
超AIを持つ巨大ロボット「勇者特急隊」を
率いて悪と戦うアクションメカアニメです。

時代設定は昭和125年。

今作の勇者ロボは旋風寺財閥の経済力と
技術力で作られているのが特徴。

主人公が高校生なのも今回が初。
しかも財閥総帥。執事や秘書キャラもいます。

マイトガイン」の元ネタは日活映画時代の
小林旭のあだ名「マイトガイ
(※ダイナマイト・ガイの略)

昭和30年代の青春映画がモチーフなので
シンプルで痛快な活劇が基本。

そのため舞人くんも爽やかでキザな熱血漢。
次回予告の

「正義の力が嵐を呼ぶぜ!」
に、キャラが集約されている……。

彼が戦う「悪」もそこそこの規模の
小悪党集団。(エグゼブ登場までは)

マッドサイエンティストのウォルフガング博士、
悪の商人ホイ・コーロー、

女怪盗団のボス、カトリーヌ・ビトン、
日本かぶれのテロリスト、ショーグン・ミフネなど

キャラは濃いけど、しょうもない悪事も多く
基本勧善懲悪な作品でした。

マイトガインに対抗するため
ウォルフガング博士が雇ったのが
ライバルキャラの「雷張ジョー」

この当時クールなライバルはだいたい
緑川さんでしたね。

ヒロインの吉永サリーは常にどこかでバイトを
している苦労人の勤労少女。

バイト中に事件に巻き込まれ、舞人に
(時にジョーに)助けられるのがお約束。

個人的に花売り娘をしていたサリーがチンピラに
絡まれた時にジョーが通りかかり、

「白バラの花言葉を知っているか?」

「バカは死ななきゃ治らないだ」

白バラを空中に放り投げ、落ちてくるまでに
相手を瞬殺する、という流れを妙に覚えています。

たまたま前日放送だったダイレンジャー
魔拳士ジンがコインで似たようなことをやってた……。

解説で終わってしまいましたが続きはまた後日。

あとマイトガインは主題歌挿入歌含めて
神曲揃いです!

勇者特急マイトガイン

勇者特急マイトガイン

 

 

大河原遁『東坡食譜』

『東坡食譜』(とうばしょくふ 17~)
中国は宋の時代の天才詩人、蘇東坡(そとうば)を
主人公にした食べ物漫画です。
全一巻で5話収録。

(一話完結の不定期掲載だったので
コミックス化した年代を書いています)

同作者の王様の仕立て屋シリーズを
ご存知の方なら説明が早いですが

コミカルで軽妙な語り口ながら
博学な知識の上に成り立つ作品です。

第一話は蘇東坡が考案したと言われる
豚角煮=東坡肉(トンポーロー)を作りつつ

蘇東坡の性格や置かれた環境、
当時の時代背景などが描かれます。

6代皇帝神宗の時代、蘇東坡(本名蘇軾)は
王安石の改革に反対し、政争に敗れて獄中へ。

死罪になる同志も多い中、なんとか許され
黄州という貧しい田舎へ左遷されます。

しかし未だ影響力のある存在で、遠く都から
刺客が送られてきて……、という第一話。

蘇東坡は飄々とした初老のおじさんで
刺客が悪人でなく、真面目な性格なのを見てとると

当時はネコの餌扱いの豚肉で作ったと説明しつつ
(蘇東坡が柔軟な考えの食いしん坊なのが分かる)

今時の貴族は羊肉が最高位という
決まりを疑いもせず、こんな美味しい
ものにも気付かないと皮肉ります。

刺客の男は一本気でもバカではないので
(これは俺が一方的な情報を鵜呑みにしてると
言ってるのか……?)と含みに気づきます。

この後、男は蘇東坡からの頼みで
ある相手のところへお使いに行きます。

政治的にはライバルでも、ちょっとしたやり取りから
真意を汲み取って相手のために動く関係が
実に粋です。

刺客の男=晁蓋は実は水滸伝にも登場する
有名キャラですがそれは作者のお遊び。

特に歴史に詳しくなくても、出世コースから外れた
いい感じにくたびれたしたおじさんが

困難を工夫や発想の転換で乗り切る
(そこに食べ物が絡む)話なので
難しく考えずに楽しんで読んでください。

意外と周囲の人望は厚いのもお約束です。

あとがきに中国史はまた挑戦したいと
書かれてました。楽しみに待っております!!

東坡食譜 (ヤングジャンプコミックス)

東坡食譜 (ヤングジャンプコミックス)