昭和の話がしたいんだ

昭和大好き団塊ジュニアの主に70~80年代漫画・アニメ・特撮語り

西修『魔入りました!入間くん』その6

『入間くん』はタイトル通り入間くんと
そのクラスメイトたち周辺の絆と成長に
重点が置かれますが、

作中の謎兼伏線として「消失の魔王
デルキラ」の存在があります。

デルキラはサブノックくんの
憧れの存在であり、

入間くんたち問題児クラスが使っている
教室「王の教室(ロイヤル・ワン)」は
彼が学生時代を過ごした場所です。

回想シーンでは若き日のサリバンが
仕えていたことが明らかになっています。

現在は行方不明のため、サリバンたち
高位の悪魔による合議制が取られているよう。

・魔王デルキラはどこにいるのか?
・入間くんと関わりがあるのか?

これは現在、最大の謎です。

また以前、位階袋鳥(ランクふくろう)が
出した入間くんの「悪食の指輪」

指輪自体は魔力を溜める道具で、それ自体は
有名な物らしく、

入間くんの位階(ランク)が上がると
指輪から黒い影が出て人格を持つようになります。

本人は「アリクレッド」通称アリさんと
名乗りますが、指輪が喋ることはサリバンすら
ありえないと断言しています。

ではアリさんは何者なのか?

ただの黒い影の時に「先生」という
単語に反応し、カルエゴ先生に敵意を
向けたことがありました。

これは推測ですが、魔力を溜めておけるなら
「誰かの意識」もそこに残せる……かも?

サブノックくんが幼い頃読み聞かせして
もらった「魔王予言の書」には

彼(か)の者 
あまねく種族を配下に収め

血の契約を結び
万物を癒し賜う

彼は異郷より舞い降りて
右手に黄金の指輪を宿す

とありました。
いつか入間くんが魔王に……?

そしてアメリ所有の少女漫画『初恋メモリー

「我が家系に代々伝わりし秘蔵の品」って

40冊近くあるとはいえ、代々というほど
時間は経ってないのでは?

一体誰が買い揃えたのか?

アニメではどう描かれるのでしょうね。

ところでアニメでコミックスのオマケ
4コマ「各話のスキ魔」が入る場合、

チャンピオン本誌でしか読んだことが
ない人は、1話登場エイコちゃんが
すごく重要キャラになってて驚くかも。

アニメも楽しみです!!

 

西修『魔入りました!入間くん』その5

現在12巻発売中!
アニメは10月5日(土)から
Eテレで放送です!

前巻で入間くんたち問題児クラスは
“二年生になるまでに位階「4」に
昇級すること”という学校からの
指令を受けます。

できなければ折角勝ち取った「王の教室」
(ロイヤル・ワン)を追われてしまう……。

※通常は6年生までに「4」を取る。

だいぶ無茶振りですが、そこは厳しくも
優しいカルエゴ先生のこと、
ちゃんと指導役をつけてくれます。

実力は確かながら、めちゃくちゃ
クセのある講師ばかり……。

 11~12巻はそれぞれの特訓回と
特訓の成果を見せる学年行事
「収穫祭」の開始です。

入間くんの師匠は女悪魔バチコ。

魔女っ娘のようなふんわりロリータ衣装に
ピンク髪ツインテールというと美少女を連想
しますが……。

登場したての頃は入間くんとリードに
教えるどころかパシリにこき使い、

「何か考えがあるのかも……」
素直に受け入れていた入間くんに

「お前ってやつは……
超ッ絶にアホなんだな」

と吐き捨て、お人好しの入間くんが
悔しくて眠れないほどになります。

これで師匠を替える方向でなく、
「より完ペキな使いっパシリを目指す」のが
入間くんらしい。

序盤では頼まれると条件反射的に
何でも聞き入れていたことを考えると、

(遊園地編でも)ちゃんと嫌なことは
ムカつくとか悔しいと口に出せるように
なったんだなぁ……。

12巻ではバチコの過去と
能力が明かされ、

何故彼女があんなに横柄な態度を
取っていたのかがわかります。

以前アメリ会長の人格を改変して
大騒ぎになった元凶エリゴス・シネルも
再登場。

メタ的な事情があるとしても、バチコと
仲良くなってて微笑ましい。

他のクラスメイトたちも師匠たちの
猛特訓で「地獄を見た」らしく
それぞれにパワーアップしている模様。

本格的に能力を見せるのは次の巻から
ですが、今から待ち遠しいです。

生徒たちの特訓完了の報告書を見る
カルエゴ先生の「楽しみって顔」に
萌えました。
ありがとうございます!!!

折角だから続けます。

 

『仮面ライダーエグゼイド』檀黎斗その3

9月6日は黎斗の日!
というわけで10時に合わせて語ります。

先日、黎斗役の岩永徹也さんが
世界ふしぎ発見」でインタビューした際、

黎斗フィギュアをタランティーノ
ブラピ、ディカプリオにお土産に渡したそうで

(神の恵みがハリウッドにもたらされた……!)と
何とも言えない気持ちになりました。

21話の「神の才能が私にはあるのだから!」
勝ち誇ってるシーンも「ふしぎ発見」の中で
流れましたね。

(22話ではガサ入れされてすごくうろたえる)

仮面ライダージオウ9~10話では
アナザーオーズ・檀黎斗王として登場。

エグゼイドの歴史が消えている=バグスター
ウィルスを扱えない黎斗は

母・櫻子が脳腫瘍で亡くなるのを
どうすることもできず、

パラド・ポッピー・永夢・貴利矢さんとも
出会っていない。

父のもとでひたすらゲームを
作らされる日々……。

そんな黎斗はウールからオーズの力を
与えられるや、王という俗世の権力を求め

(オーズのヒロイン)ヒナちゃんに
求婚するという実に地に足の着いた
悪役になっていました。

※なお『オーズ』からはキヨちゃん(人形)と
映司も登場しました。

ソウゴの反面教師となったことを
ウォズから「肥やし」呼ばわりされ、
ヒナちゃんには当然フラれて

何だかんだ『エグゼイド』での黎斗が一番
幸せな人生みたいです。

だってやりたい放題だし……。

劇場版『平成ジェネレーションズ FINAL』
ではあまりにテンション高く勝ち誇ってるのを
万丈から「あいつバカなのか……」
呆れられたり(二回言った)

御成にうまいこと手なずけられて
ビルドに倒された際のデータで作った
「神の恵み」こと新ガシャットを複製、

ブレイブ、スナイプ、レーザーを変身
可能にします。

何気に大活躍だったのに、ラストに不穏な
ことを言って貴利矢さんにはたかれたり、

ポッピーに吸われそうになるのを
飛彩先生を盾にして逃げ回ったりと
楽しそうだったのに……!!

(動揺してる飛彩先生も可愛い)

続きはまた後日。

 

 

 

『新世紀GPX サイバーフォーミュラ』その1

『新世紀GPX サイバーフォーミュラ
(フューチャーグランプリ サイバー
フォーミュラ 91~)は14歳の少年
風見ハヤトを主人公に、架空のモーター
スポーツ、サイバーフォーミュラ
熱いレースを描いたTVアニメです。

略称は「サイバー」または「CF」
時代設定は2015年です。

続編はOVAで『11(ダブルワン)』
『ZERO』『SAGA』『SIN』が作られました。

当時よりはナビも発達しましたが、
アスラーダのように会話したり歌ったり
できるまでにはなってませんね。

序盤、ハヤトは全くのアクシデントから
デザイナーである父の作ったマシン、
アスラーダ」にパイロットとして
登録されてしまい、解除できずに
CFレースに出場することに。

実はアスラーダの性能の高さに目を付けた
ある組織が軍事転用しようと狙っていたの
でした。

日本で予選を戦っている間は
まだ本格的には手出ししませんが

本選からは、ミッシングリンク
チームのレーサー、ブーツホルツに
ハヤトはレース中も何度となく襲われます。

ハヤトを護るため、ナイト・シューマッハ
してレースに出場していたのが菅生修。
ヒロイン・菅生アスカの兄でした。

「全く想定外の少年がパイロットに」
「謎の仮面の人物」という設定は
GEAR戦士電童』『ガンダムSEED』にも
共通する福田監督作品のお約束。
ファースト好きすぎ……!

F1と同様、CFレースも世界中を巡り
連戦してポイントを競うシステムなので

優勝争いが始まる前の時期には主人公が
悪の組織に狙われているという
別の緊張感で話を盛り上げました。

ハヤトの成長物語として、またアスラーダとの
相棒モノとして素晴らしい作品なのですが

個性豊かなレーサーたちとの関係性もまた
当時の女性ファンの心を掴みました。

ドラマCDやソング集、カセットコレクションや
様々なムック本、グッズ……、

当時は学生だったので、だいぶ
バイト代をつぎ込んだものです(遠い目)

まだまだ語り足りないので続きはそのうちに。

よしながふみ『大奥』その2

将軍の最初の夜伽相手というだけで
死罪を申し付ける大奥に

吉宗は「大奥には大鉈を
振るってやらねばなるまいよ」
決意します。

この作品の吉宗も「暴れん坊将軍」の
二つ名に相応しい破天荒な男前なのですが
メイン回は後の話となります。

かくして吉宗は大奥の記録係
村瀬を訪ね、

大奥の創設者・春日局が女性で
三代目の家光も元は男の将軍という
事実に辿り着きます。
(ここまでが1巻)

2巻からは女将軍・家光誕生と
大奥総取締お万の方の物語です。

「お万の方」の本名は公家の出身で
高僧だった万里小路有功。
(までのこうじ ありこと)
彼の視点で物語が語られます。

京から江戸城に呼ばれた有功は、
春日局によって強制的に還俗させられ
おつきの小坊主の玉栄と共に
大奥へ上ることになります。

そこにいた「将軍家光」は
十代の少女でした。

彼女の本名は千恵で、赤面疱瘡で
死んだ家光の娘。

家光が世継ぎのないまま死んだため
徳川の世を護るという名目で
春日局重臣たちを説得しての措置でした。

母親とひっそり暮らしていた千恵は
11歳の時に母親と引き離され、
世継ぎを生むためだけに男装して大奥に……。

「家光」が傲慢で冷酷な振る舞いをする
事情が次々に明かされていきます。

更に、全て秘密裡に行われていたため、
事情を知らない大奥の下働きの男に
レイプされ、妊娠してしまったこと、
その子を流産してしまったことも……。

肩書は最高権力者でも、実は誰か
(主に親)の犠牲者というのが家光以下、
大半の将軍たちの描かれ方になります。

有功は踏みにじられ続けた千恵の
憤りも悲しみも受け止め、
二人は心から愛し合うようになります。

それは二羽の傷つき凍えた雛が
互いに身を寄せ合うように
始まった恋であった

というナレーションの場面は
涙が止まりませんでした。

しかし深い絆で結ばれた二人の間に
子供が生まれることはなく

春日局が見つけた側室や
有功を敬愛する玉栄との間に
生まれた子が4~6代の将軍に……。

続きはまた後日。

ぜひ一度読んでほしい傑作です!!

大奥 2 (ジェッツコミックス)

大奥 2 (ジェッツコミックス)

 

 

よしながふみ『大奥』その1

『大奥』(04~)は将軍が女性で
大奥にいるのは男性という男女逆転の
設定で描かれる、史実をベースに
したSF時代劇漫画です。

10年に吉宗編が実写映画化、

12年に家光編がテレビドラマ化、
綱吉編が実写映画化しています。

現在17巻まで発売中。

そもそも何故女将軍かというと
この世界の日本には「赤面疱瘡」

(あかづら ほうそう)という
男だけが罹る奇病が蔓延、
男の数が女の四分の一にまで
減っているからです。

大半の女たちは結婚もできず、
貧しい家に生まれた男は
売春させられるのが当然の社会。

そんな世界で最高権力者の最大の
贅沢が、美男を集めた大奥なのでした。

1巻では江戸に住む貧乏旗本の
水野祐之進(みずの ゆうのしん)を
主人公に、

彼の視点で大奥のシステムや
作中の世界観が描かれます。

 水野は貧しくとも健全な家に育ち、
太平の世に珍しい剣術好き。

性格は勝気でちゃきちゃきの江戸っ子。

無料で貧しい女たちに種つけする
優しい男として描かれます。

しかし水野と両想いのお信は
大店の娘で、彼とは結婚できません。

そのことや諸々の事情で、水野は
大奥へ奉公することを決意します。

きらびやかな空間でありながら
そこは昏く歪んだ世界でした。

外では女があり余っているのに
男だらけの世界で女の代わりを
務めさせられそうになり、

道場で立ち合った相手の見事な腕を
褒めちぎると

「所詮この大奥で大切なのは
美しい白い顔と
そつのない処世術よ!!」
と吐き捨てられたり……。

そんな中でも水野は自分らしさを
貫き、新たな将軍となった
吉宗に見初められます。

しかし最初の夜伽の相手は
「将軍の体に傷をつける」との理由から
死罪と決まっていました……。

吉宗の本名が「お信」と知って
今宵一晩、名前を呼ぶことを懇願する
シーンが切ない。

吉宗の粋な計らいで水野は
ハッピーエンドを迎えますが
何度読んでも泣けるラストです。

水野の物語はこれで終わりますが
吉宗が記録を読むという体で、次巻から
大奥創設の出来事が語られていきます。

続きます。

大奥 1 (ジェッツコミックス)

大奥 1 (ジェッツコミックス)

 

 

 

隆慶一郎 原哲夫『花の慶次-雲のかなたにー』その3

加賀を出た慶次は京都へ向かい、
千利休や秀吉、直江兼続石田三成など
歴史上の大物たちと出会います。

どんな創作物であれ、実在した偉人・有名人を
登場させ、主人公はすごいと言わせれば
作中での主人公の格は上がります。

しかしこの作品の素晴らしいところは
その人物の偉大さ・有能さを読者に
思う存分見せつけた上で

そんな人物が慶次を認め、惚れ込むと
いう流れが納得いくように
描かれています。

特に秀吉、大変な大物で曲者ですよね……。
それでいて今だ信長への敬愛の情が
あるのもいい。

個人的に大好きなエピソードが
佐渡編、河原田城一騎駆けです。

危険極まりない戦法なのにも
関わらず

慶次「一騎駆けこそ いくさ場の
花ではないかね」

と平然と言える度胸。

力が強すぎて何人も殺してしまい、
囚人となった大男・蛮頭大虎が
深手を負い、死を目前にした際に
馬印を慶次が手渡し

「よいか その馬印に
我らも 上杉も 皆続く!」

「お主に 上杉の総ての
男達が つき従うのだ!」

これに応えなきゃ男じゃない!
男の魂を奮わせる名シーンです。

蛮頭は自らの足を槍で縫い止め、
見事な立ち往生を遂げます。

そして坂田雪之丞も炎に包まれた城から
慶次と共に人質の子供たちを救い、
子供たちの盾となって戦死します。

囚人と蔑んでいた彼らを、上杉の兵たちが
鐙を外すという、最上級の敬意を示して
送るというのがまたいい……。

そして身分の低い兵が男を見せる中、
彼らを嘲笑った本間左馬助や
敵の城主本間高茂に裁きが下ります。

慶次「男が死すべき場所を誤るは
あわれなものよ……」

慶次の敵に対する憐憫の情や
死生観がよく現れた台詞ですが

見せしめを含む一族郎党の処刑は
史実とはいえ、週刊ジャンプ
よく描けたなと思います……。

(しかもこのエピソードだけではない)

 そこまで死に場所、死に方に
こだわりがあるのにも関わらず、

処刑場に現れた骨が自分の命を
狙ってる忍と承知で酒を酌み交わし
毒か薬かと飲んだ後で聞くのもすごい。

 続きはまた後日。