昭和の話がしたいんだ

昭和大好き団塊ジュニアの主に70~80年代漫画・アニメ・特撮語り

北条司『CITY HUNTER』その2

CITY HUNTERはリョウと香だけでなく、
リョウとは同業者の「海坊主」や
女刑事・野上冴子などの
他のキャラもまた魅力的でした。

海坊主はごっつい巨漢で強面ですが
(CV;玄田哲章

恩人の娘・少女ピアニストの真希を
陰ながらずっと援助してきたり、

銃がノーコンな(と思われていた)香に
トラップを伝授したりと、何かといい人です。

そりゃ美樹さんもいくら突き放しても
追っかけてくるはずです。

猫が苦手というのもまた可愛いし。

失明の話が出た時は心配しましたが、
あまり支障ないようで良かった良かった。

冴子さんは声が麻上洋子さんということもあり、
J9好きな私としてはたまらんキャラでした。

セクシーでキュート、そして強くてしたたかで
憎めない。

そんな憧れのお姉さまボイスに北条先生の
凛々しくてスタイル抜群の美女とか
完璧すぎるやろ……。

スカートのスリットの内側にナイフが仕込まれてる
戦うセクシー美女のお約束も外さないよ!

リョウも何かと冴子さんには弱く、一発の報酬に
釣られてタダ働きなど、警察側の峰不二子という
感じでしたね。

(ここはエンジェルお町と言いたいけど、
分かる人が少なそうなのであえて不二子で)

妹の麗華共々、あれで警視総監の娘って……。

槇村兄とのコンビ時代はどんな風だったのか
未だに気になってます。

しかし最近、セクシーで男を挑発するような
美女キャラが少なくなりましたね。

麻上洋子さんは現在、講談師でもあるので
改名して一龍斎春水です。

 

依頼人の中で印象深いエピソードは

「空飛ぶオシリ」の二つ名が強烈な麻生かすみとか
(二度出てきたせいもある)

アクセサリーに仕込まれていた謎の化学式
(実はBC兵器の化学式)を知らずにとはいえ
水着デザインに使っていた北原江梨子。

香を変装させ、リョウとデートさせてくれのは
本当にGJでした!

こうやって書いてるだけでも、アニメ版1~3の
主題歌が脳内に流れまくっています。

新作の劇場アニメ、今から超楽しみです!!

 

シティーハンター dramatic master

シティーハンター dramatic master

 

 

北条司『CITY HUNTER』その1

CITY HUNTER(85~)は新宿を舞台に
女好きの「始末屋」(スィーパー)冴羽リョウ
相棒・槇村香と共に悪を退治する
時にコミカル、時にハードボイルドな
ガンアクションものです。

※リョウの漢字が出ないのでカタカナ表記にしています。

依頼の申し込みは新宿駅掲示板に
「XYZ」(=後がない)と書くという設定に

当時、教室の後ろの掲示板には必ず誰かが
XYZと書き込んでいたものです。

序盤、リョウの相方は香の兄でしたが
麻薬組織によって殺害され、
リョウは香を逃がそうとするものの

「新しい相棒が必要だろ?」と
香はパートナーに名乗りを上げます。

槇村兄(ちなみにフルネームは槇村秀幸
とのコンビ時代はかなりハードボイルド寄りで

殺された恋人や妹のための復讐を
請け負うなど、仇を討っても大事な人は
戻らないビターエンドが多かったのですが

香がパートナーになってからは
ボディガードや人助けの仕事が多くなり、
ハッピーエンドが定番に。

どっちの時代もリョウの女好きは
変わりませんが

序盤の方が報酬に貰ったハーレムの女たちとの
関係を示唆する台詞があったりと
アダルト路線で、

香がパートナーになって以降は、
女好きの言動には即「100tハンマー」が
炸裂する、完全にギャグの扱いになります。

ちょうどフィルムノワールの影響が強かった
一期ルパン(緑ジャケ)が、

コメディ多めの二期ルパン(赤ジャケ)になって
国民的アニメになった感じでしょうか。

 どっちにしても悪人を銃でなぎ倒す
超カッコいい姿と、極度の女好きとの
ギャップがリョウの魅力であることに
変わりはありません。

勿論、香とのどつき漫才からの
最高のコンビネーションも素晴らしい。

87年にはアニメ化され、クライマックスで
挿入歌『Foot Step』と共に
リョウが現れ、悪人たちを倒す場面は
本当にカッコよく、

更に本編ラストからの
ED『Get Wild』へ入る演出は
今なお神がかってるとしか言いようがない。

語り足りないのでまた明日!

 

『仮面ライダーオーズ』その1

仮面ライダーオーズ(10~)は
800年前の封印から解き放たれ、復活した
欲望の怪物・グリードと
主人公の火野映司が、グリードの一人・
アンクを相棒として戦うお話です。

こう書くとアンクは正義側みたいですが、

彼は他のグリードと共闘できない事情があり
更に右腕しか復活できていません。

たまたま戦闘中、ヒロイン比奈の兄で
刑事でもある泉信吾が重傷を負ったことから
その体に取り憑きます。

アンクの腕が離れると植物人間状態になるため
映司も比奈も、生命維持装置がわりに
泉刑事との共生を認めるほかありません。

序盤の映司は「少しのお金と明日のパンツが
あればいい」と公言する

楽天的で心優しい、放浪癖のある青年という印象で

アンクと駆け引きしながらアイスで釣るなど
全体的にコミカルな雰囲気の作品でした。

なお小林靖子脚本において明るい
始まりは罠です。心に刻んでおきましょう。

グリードの体と意識を形成するのは
色つきのコアメダルと銀色のセルメダルです。

アンクが右腕だけで宙に浮いたり会話できるのは
意識のコアメダルは残っているからです。

 

アンクの目的は映司(=オーズ)を利用して
沢山のメダルを奪うこと。

しかし映司はお人よしのように見えて案外
したたかな一面があり、一筋縄ではいかない
独特の共闘関係になります。

この二人の関係性とその変化こそ
『オーズ』という作品のキモです。

最初は険悪な仲でも一緒に
戦ううちに真の絆が……というのは

あらゆる創作物のお約束ですが
そう簡単にデレるアンクではありません。

それだけにラスボスから映司を庇い、
ヒビの入ったコアメダルを
映司に渡して共に戦うクライマックスは
涙無しでは見れません。

更にラスボスは倒したものの、
生身で空中から落ちる映司を
アンクの腕が掴み、

仲間たちも地上から手を伸ばす
シーンも

アンクが比奈ちゃんに別れを告げ、
割れたコアメダルが落下するシーンも

何もかも名場面でした。

まだまだ語り足りないので
また近いうちに。

 

『アニメ三銃士』

アニメ三銃士(87~)はアレクサンドル・
デュマ原作の『三銃士』をオリジナル設定を
アニメ化した作品です。

酒井法子の主題歌『夢冒険』も翌年の
甲子園で流れるなど、何かと話題になりました。

田舎から出てきたばかりのダルタニャンが
パリで有名な三銃士と決闘騒ぎとか

王妃の首飾り事件、バッキンガム公暗殺、
鉄仮面の謎など
子供向けにアレンジされつつも
原作エピソードはちゃんと踏襲しています。

オリジナル設定は銃士隊入隊以前から
ダルタニャンがやたら象にこだわりを見せたり

オリキャラの孤児の少年「はだしのジャン」が
ダルタニャンの相方として登場し、

移動式のお風呂屋さんをジャンと共にやってたり。

(この当時、主人公たちの平均年齢が高い作品は
原作つきでもオリジナルの子供キャラを
出してました)

あと、本来は銃士たちには従僕がついてますが
登場しなかったり、

人妻のヒロイン・コンスタンスが
ボナシューの娘に改変は仕方がないとして

この作品最大のヒットの要因は
アラミスを男装の麗人にしたことでしょう。

フランスの歴史モノ×男装の麗人=ベストマッチ!!
(イエーイ!!)←仮面ライダービルド風

当時、劇場アニメも作られ
アニメディアの表紙をアラミス一人で
飾ってたはず。

映画の内容も彼女の過去に関する
ものでした。

ダルタニャンとは対立関係に当たる
ロシュフォール伯やリシュリュー枢機卿
実にいいキャラで、

終盤、鉄仮面に対抗するために共闘する際の
ロシュフォール(CV千葉繁)&
アトス(CV神谷明)のコンビなんて
面白いに決まってるじゃないですかーー!!

普段物静かに悪巧みしてる
リシュリュー閣下までキレて本を振り回して
たのが忘れられません。

(演じられた田中信夫さんのご冥福をお祈りします)

平野文さん演じる悪女ミレディーも印象深いキャラでした。

アニメ三銃士』のヒット以降、NHK
ナディアなど多数の名作アニメが
作られるようになります。

そういう意味でも偉大な作品です。

アニメ三銃士 パーフェクトコレクション DVD-BOX 1

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ボマーン『悪のボスと猫。』

『悪のボスと猫。』(17~)は悪のボスと
その手下たちなど、強面なキャラが猫に
振り回されるほのぼのマンガです。

悪のボスといえば、確かに膝の上に猫を
乗せてるイメージですね。

(※元はTwitterから書籍化した作品なので
書籍化の年を書いています)

今のところボスの猫は5匹で、
みんな捨て猫出身。

舞台は明確にはされていませんが
現代のアメリカっぽい。

ボスは目の辺りが黒い影になっており、
他のキャラもサングラスや髪で目が隠れてて
顔や表情がわからないように描かれています。

そしてモノローグで(クククク……)とか
(フハハハハハハ)しか言わず、
他のキャラもほとんどしゃべりません。

驚く時は(フハッ!?)って笑いが途中で
止まる感じ。

台詞がほとんどないということは説明も少なく。
9割方絵で全てが語られます。

それでも十分伝わる絵の細かさと
ギャグの絶妙な間が素晴らしい。

基本的には「ネコ飼い・ネコあるある」が
メインですが、

飼い主が怖そうなボスだと、ギャップで
微笑ましさが倍増します。

ちょっとした言動が誤解を生むが、実は猫絡みという
アンジャッシュのコントのようなオチや

チンピラを怯えさせる威圧感を放つボスが
猫には平謝りだったり、

トイレ掃除も、引っかかれるの覚悟の
お風呂も全部ボス自らやってるのが
愛を感じます。

(お風呂は手下も一人手伝ってたけど)

実は殺し屋に狙われてるのですが、
殺し屋さんも猫好きなため
そっちが気になって仕方がないご様子。

そして二人とも猫グッズ好き。
もう友達になっちゃえよ……。

だいたい1~4ページくらいでオチがつく
短編の集合体で、そのたびに「ふふっ」って
なります。

現在の話だけでなく、過去の回想話もあり
若き日のボスや死んだ相棒が出てきます。

若き日のボスが拾った子猫が、今はすっかり
成猫になって、飼い猫たちのリーダー格
だったりと結構細かく設定されています。

(白のフッサーラ猫ね)

ほっこり気分になりたい&猫好きな人には
超オススメです!!

悪のボスと猫。 (アクションコミックス)

悪のボスと猫。 (アクションコミックス)

 

 

昭和のマンガ・アニメの花にまつわるエピソード

マンガの演出や設定は時代と共に変わって
いくものですが、

昭和の頃の作品の方が詩的というか、ストレートに
ロマンティックな演出が多かったと思います。

特に花にまつわるエピソード。

萩尾望都ポーの一族(76~)の
有名なシーン、

リーベルの巻き毛がジンチョウゲの小枝に絡み、
ユーシスが取ってあげるエピソード。

ジンチョウゲ ジンチョウゲ
金色ににおう

からみつくよ からみつく 
愛してる

文章だけだと伝わりませんが、
実に美しい場面なのです。

川原泉笑う大天使(ミカエル)』
高橋なの『あなたの知らない銀英伝などの
パロディで先に知った人も多いのでは?

キャンディ・キャンディでもアンソニー
自分が品種改良した新種のバラをキャンディに贈って
「なまえはスイートキャンディ」
という場面があったり

ガラスの仮面では謎の足ながおじさんの
象徴として紫のバラが使われています。

あさぎり夕『花詩集 こでまりによせて』では
主人公がこでまりの精に話しかけ、

『あいつがHERO!』では「ライラックの花の
王子様」という絵本が重要なアイテムです。

佐藤まり子『あこがれ二重唱』(80~)で
ポプリに憧れたり、当時のなかよしの付録にも
「なかよしギャルズ百科 愛のフラワーブック」

という、ポプリの作り方や花言葉を集めた
小冊子があったと記憶しています。

アニメだと

東映魔女っ子アニメ花の子ルンルン(79~)は
七色の花を探して旅をするのですが、
よく花言葉を紹介していました。

世界名作劇場『アルプス物語 わたしのアンネット
(83~)EDの「エーデルワイスの白い花」で

「天使の翼を花にかえたら 何になる?」
「雪のかわりに咲いた花」なんて歌詞に
エーデルワイスに憧れたものです。

 

今は花言葉なんて口にする人は
もうマンガでも見なくなりましたが

余程浮世離れした設定の作品でもない限り
ギャグ扱いなのが時代の流れを感じます。

一種の照れとかツッコミ避けなんでしょうか?

上原きみ子『舞子の詩(うた)』

舞子の詩(77~)は主人公・茜舞子が
バレエダンサーを目指すお話です。

彼女には家出した兄・姿郎がいて、兄妹二人で
父の遺作『エレナの赤い花』という演目を踊るのが
バレエ団を経営する母の悲願でした。

ある日、舞子がひょんなことから出会った
浅見千也子という同い年の少女にバレエ見学を
OKし、使い古しのトウ・シューズを与えます。

千也子は体操選手だったこともあり、
バレエを始めた直後から
みるみる頭角を現していくのでした。

だからって公演でいきなりオデットの衣装着て出て
「オデットが二人!?」って王子役を困惑させるって
千也子さん無茶苦茶や……。

※本来のオデット役の舞子の機転で演出っぽく
見せかけた。

しかしこのトンデモ……もといドラマティックな
展開の連続こそが上原きみ子マンガの特徴でもあります。

その後、舞子と千也子は病院の取り違えで
入れ替わっていたことが発覚するのでした。

二人が本当の家庭に戻っての生活だけでも
1本マンガ作るのに十分な設定なのに

・最も長く戦ったライバルは千也子じゃない。

・転校先の学校で、体の柔軟さから体操部に誘われた
舞子は、大会に出てバレエを踊ってしまい
自分の中のバレエの血を自覚する。

・兄の姿郎と『エレナの赤い花』で共演の夢を果たすが、
骨肉種を患っていた姿郎は舞台上で亡くなる。

・舞子に想いを寄せる天才ダンサー鳳流衣
(おおとり るい)が女優の私生児。

・その女優は舞子の本当の父親(映画監督)に惚れている。

・兄亡き後のパートナーが、女として育てられて
やさぐれた「スケ番お夏」こと夏樹。

更に夏樹は一度だけ男としてコンクールに出ており

その際の「青い鳥」の見事さから「幻の青い不死鳥
(ブルーフェニックス)」と呼ばれていたエピソードつき。

息もつかせぬ怒涛の勢いと極端な展開、
そして少女の憧れが揃った作品だと思います。

初めて読んだ時、小学生だったので
「ポワントで……軽々と立ってる!」を
マネしてよく上履きで爪先立ちしてました……。

舞子の詩 (1) (講談社漫画文庫)

舞子の詩 (1) (講談社漫画文庫)